抗酸化LDLモノクローナル抗体を用いた泡沫細胞内酸化LDLの代謝様式の解析
Project/Area Number |
06772149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助手 (30203079)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸化LDL / 泡沫細胞 / 動脈硬化 / モノクローナル抗体 / 酸化LDLの高感度定量法 / 酸化PC / 腎透析 |
Research Abstract |
ヒト動脈硬化病巣ホモジェネートを感作抗原として得た、抗酸化LDLモノクローナル抗体FOH1a/DLH3が次のような特徴を有することを昨年までの研究で明らかにしている。(1)未処理LDL、アセチル化LDL、マロンジアルデヒド化LDLいずれの本抗体とは反応しないが、LDLもHDLも硫酸銅処理で酸化すると良い抗原となる。(2)ヒト動脈硬化病巣の免疫組織化学で病巣内のマクロファージ由来の泡沫細胞が顕著に染色された。(3)本抗体のエピトープはホスファチジルコリンの過酸化反応生成物であり、これは蛋白質やペプチドと複合体を形成しうる。酸化LDL上ではおそらく共有結合で結びついたものと、リポタンパク粒子内に埋まり込んだものとが共存していると考えられる。本年度は、この抗体を用いた酸化LDLの高感度定量法を確立した。DLH3抗体をあらかじめコートしたELISAプレートに酸化LDLを添加し、結合した量を抗ヒトアポB抗体で定量する。サンドイッチ法を用いたことで夾雑物質の影響を受けにくくなり、また感度が向上し0.5〜10ngの酸化LDLが測定できるようになった。種々測定条件を検討し、分離したヒト血漿LDL画分中の酸化LDL量を初めて測定できるようになった。本法で測定した健常人血漿LDL中の酸化LDL値は0.18±0.09(ng/μg LDL protein)であった。これまで血管壁内で浸潤したLDLの酸化的変性が起こるため血漿中には酸化LDLが見られないと考えられてきたが、酸化LDL血管内でも生成しうる可能性も再検討すべきであろう。糸球体腎炎で過酸化脂質が増加し糸球体に泡沫細胞が生じることや、腎不全ではしばしば動脈硬化症を併発することが知られている。そこで腎透析患者血漿LDLの酸化LDL値を測定したところ、1.14±0.72(ng/μg LDL protein)と健常者の約6倍であることが見いだされた。このことから、LDLの酸化的修飾が腎臓病に伴う血管障害と関連している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)