酸素フリーラジカルの遺伝子傷害に対する防御法の開発

• Project/Area Number: 06772157
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Biological pharmacy
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 山中 健三 日本大学, 薬学部, 講師 (50182572)
• Project Period (FY): 1994
• Project Status: Completed (Fiscal Year 1994)
• Budget Amount: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000); Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
• Keywords: 砒素過酸化ラジカル / DNA付加体 / プロモーション作用 / プログレッション作用

Research Abstract

現在までの研究結果から得られた無機砒素代謝で生ずる砒素過酸化ラジカル(一種の酸素ラジカル)による遺伝子傷害さらに癌誘発作用を解明することで、酸素ラジカルによる発癌の抑制に関する研究分野を開拓することを目指した。得られた成果を下記に示す。
1.砒素過酸化ラジカルによるDNA付加体形成を培養細胞におけるDNA修復合成の誘導を指標に検討した結果、DNA鎖切断が全く生じない条件下で著しい修復誘導が認められた。このことから、酸素ラジカルによりDNA鎖切断が生ずる以前の段階で、DNA付加体が形成されることを示した。
2.酸素ラジカルの特に肺癌機構解明の一環として、肺癌誘発における砒素過酸化ラジカルの影響をマウスを用いて検討した結果、現在知られている肺癌プロモーターよりも遥に強力なプロモーション作用を、さらにプログレッション作用をも有することを予備的に確認した。
上記に示した砒素過酸化ラジカルの遺伝子傷害作用、発癌誘発作用に関して、今後とも鋭意検討することにより、酸素ラジカルの発癌作用の解明、さらにはその防御法の開発を目指したい。