ブファリンによる癌細胞の分化およびアポトーシスの誘導機構に関する研究
Project/Area Number |
06772190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医薬分子機能学
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
増田 豊 昭和大学, 薬学部, 助手 (10255862)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 分化 / アポトーシス / ブファリン |
Research Abstract |
我々は漢方薬として用いられているセンソ中のブファリンがヒト白血病細胞に対して強力な分化誘導能およびアポトーシス誘導能をもつことを発見し、ブファリンによる効果の細胞特異性やアポトーシス誘導能における分子レベルでの解析を行った。本研究により以下の(1)-(2)を明らかにした。 (1)ブファリンのアポトーシス誘導能についての研究 ブファリンはヒト由来の白血病細胞であるHL-60、ML-1、U-937などに対して強いアポトーシス誘導能示した。さらにブファリンのアポトーシスに対する細胞特異性を調べるために、ヒトの血液から採取した種々の正常細胞(顆粒球、リンパ球および単球)やマウス(M1、P388)およびラット由来の癌細胞(PC12)に対してアポトーシス誘導能を解析した結果これらの細胞にはほとんど影響がみられなかった。 (2)ブファリンによるアポトーシスに関与する遺伝子群の解析 ブファリンによるアポトーシスの作用機構を明らかにするために、ヒト白血病細胞HL60にブファリンを作用させ種々の遺伝子発現の変化をノーザン解析により調べた。その結果アポトーシスの誘導や抑制に積極的に関与していると考えられているbc1-2遺伝子や細胞増殖に重要な役割をはたしているc-myc遺伝子などの発現がブファリン処理によって著しく抑制された。 今後はアポトーシスの誘導や抑制に積極的に関与していると考えられる遺伝子や遺伝子産物(myc、bcl-2、p53など)とブファリンによって誘導されるアポトーシスの関係を遺伝子工学的手法を用いて明らかにし、さらにアポトーシスの誘導に関与する新しい遺伝子のクローニングを試みたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
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