肝障害時における肝細胞増殖因子の体内動態機構の解析
Project/Area Number |
06772206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 将夫 東京大学, 薬学部, 助手 (30251440)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 体内動態 / 肝細胞増殖因子 / クリアランス |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(HGF)は、肝疾患治療薬として臨床応用が期待されていることから、肝障害時における体内動態機構を明らかにすることは重要である。そこで本研究では、肝障害モデルとして肝部分切除ラットを用い、HGFの体内動態をin vivo系および肝灌流系を用いて解析し、以下のことを明かにした。なおこれらの結果は現在、雑誌Am.J.Physiol.に投稿中である。1./肝部分切除後のHGFの全身からの消失を決めている臓器は、正常時と同様主に肝臓であり、全身クリアランスは切除後に標準値の30%以下にまで低下すること。2.肝臓が再生し、臓器重量がもとのレベルにまで回復する10日後には、クリアランス値も回復すること。3.全身クリアランスの低下は、肝臓を切除したことによる肝重量の変化のみならず、切除後の経過時間に応じて種々の要因によって引き起こされること。すなわち、切除直後(15分から3時間後)においては、(1)臓器非特異的にクリアランスが低下すること、(2)内因性物質の影響を除外した可能な肝灌流系ではクリアランスの低下が観察されないこと、(3)切除直後のラット血漿を正常ラットに大量に投与するとHGFクリアランスの低下が観察されることなどから、「内因性のクリアランス阻害物質が血漿中に放出されたことに起因するクリアランスの低下」であること。一方、切除後ある程度の時間を経た時期(1から2日後)においては、(1)肝灌流系でもクリアランスが標準値に比べてin vivoと同程度の割合で減少し、しかも過剰濃度で飽和のかかる飽和性クリアランスのみが減少すること、(2)この時間においてはHGFレセプターの肝細胞表面からの減少(ダウンレギュレーション)が報告されていることなどから、「肝臓のHGFレセプターのダウンレギュレーションに起因するクリアランスの低下」であること。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)