Research Abstract |
本研究は目的,方法の性質上,特に研究対象となる夫婦とその関係に対する倫理的配慮が必要とされると思われたため,研究計画に関し、聖路加看護大学研究倫理審査委員会の審査を受けた。委員会の承認を得た後,調査の実施に進んだ。 調査は,質問紙法と面接法とを組み合わせて行うことにし,主に2つの段階に分けて夫婦にアプローチすることにした。第1段階では,質問紙は,面接前に対象に関する最小限の情報を入手するための予備的な調査票,ローゼンバーグのSE尺度,不妊体験とパーソナリティとの関連を探るためのSCTを模索した調査票を夫婦双方に用い,妻に面接を行うものとした。夫婦の双方から質問紙への回答・返送があったものを第2段階の対象とみなすことにした。第2段階では,スパニヤーのDyadic Adjustment Scaleを用い、協力が得られれば妻および夫の面接を行うものとした。面接は半構成型・自由回答方式で行うものとした。実際的な最初の段階の対象へのアプローチは,都内および隣県に得られた計2か所の協力クリニックの担当医から妻に調査協力依頼と第1段階の予備的な調査票を手渡ししてもらうやり方で行った。現在までに約50通の,妻からの返信があり,面接への協力の意思表示のあった者は10名で,5組の夫婦の妻への第一段階の面接が終了した。そのうち,すでに夫が質問紙への回答・返送をしてくれたのは2組に止まっている。これまでの経過から,概ね良好と思われる関係を保っている夫婦が大部分であるように思われたが,夫婦間の認知のズレも明らかに示されている。
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