旧ソ連邦における工業地帯形成過程と工業技術発展過程との関連に関する歴史的研究
Project/Area Number |
06780041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
市川 浩 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00212994)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 旧ソ連邦 / 電力業 / 火力発電所 / 技術 / 燃料 / エネルギー / 環境 / 原子力発電 |
Research Abstract |
まず、戦後の旧ソ連邦における電力技術の展開過程をエネルギー問題との関連で明らかにした。一貫して良質の石炭が鉄鋼業や化学工業に優先配分されるなかで、戦前の電力産業は粗悪炭の活用を余儀なくされる場合が多かったが、戦後エネルギー源はまず重油と天然ガスに転換し、さらにふたたびシベリアや東部の安価な粗悪炭に切り替わっていった。この2度にわたる火力発電用燃料の転換の理由はいずれも燃料価格を基準にした経済性であったはずであるが、いずれも産地と消費地との間のきわめて長い距離にわたる輸送のむずかしさなどがネックとなって期待された経済効果は生まれなかった。火力発電技術はこの燃料転換の影響を直接に受け、新たな対応が求められた。1960年代における火力発電分野の技術進歩は積極面を示すことが多かったが、その後の再度の燃料政策の転換、燃料の質のますますの悪化とともに燃料の過剰燃焼の傾向が一般化し、設備の経済性の低下と硫黄酸化物、窒素酸化物、粉塵の大量排出という環境面への悪影響は押し止められなくなった(以上については、拙稿「戦後の旧ソ連邦における燃料問題と電力技術の展開-火力発電を中心に-」参照)。また、2度目の燃料転換に際して大きく期待されることになった原子力発電はその出力の急速な上昇=原子力発電所の巨大化を課題とするにいたり、もとより拙速気味であったこの分野における技術開発はさらに拙速の度を加えることになった(以上は拙稿「旧ソ連邦における原子力発電技術の形成と展開」参照)。 以上のように、研究計画の重要な柱であった電力技術の展開、エネルギー問題、環境問題の解明などではほぼ所期の目標に達することができたが、それらが工業地帯形成とどのように関連しあっていたのかを明らかにする課題は今後に残されてしまったと言わざるをえない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)