Project/Area Number |
06780150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70176387)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 理科授業 / 共同的活動 / コンセプトマップ / メタファ / 状況論 |
Research Abstract |
理科授業における社会・文化的相互作用の実態を解明するために、3つの調査を実施した。対象は、教師、学習者(児童)の共同的活動、共同的な活動が含まれた理科授業であり、それぞれの対象に状況論的な観点から個別的にアプローチした。調査1では、教師の構成している「教室」「教師」「児童」の文化的モデルをメタファ生成法により分析した。対象は小学校教師201名(男子126名、女子75名、経験年数平均11年)であった。調査2では、実際の授業場面において、児童が二人で行う共同的なコンセプトマップの作成過程を分析した。対象は小学校6年生の3クラス、51ペア、計102名(男子45名、女子57名)であった。調査3では、授業場面における教師=児童の関係の変化を参加観察法によって分析した。対象の授業は、2名のベテラン教師の理科授業であり、各3時間をVTRで記録し、教師と児童の発話を分析した。 結果の概要は次の5点にまとめられた。(1)教師全体の約60%が「教室」「教師」「児童」を伝達モデルで捉えていることがわかった。(2)しかしながら、教師一人の中では、モデルは必ずしも一貫せず、伝達モデルと対話モデルが混在する傾向にあった。(3)二人で行われたコンセプトマップの作成過程では、認知的内生的意義、外生的意義が一人のときよりも強く認識され、ネガティヴな感情も減少していた。(4)初心者と熟達者の児童ペアでは、熟達者としての児童が初心者の相手から知識を取り入れるケースも頻繁に観察された。(5)日常において伝達的な授業をしている教師であっても、コンセプトマップを利用した共同的な授業の中では伝達的な関係が崩れる傾向にあった。
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