Project/Area Number |
06780193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松崎 正治 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (20219421)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カテゴリー化能力 / メタ認知 / メタ言語能力 |
Research Abstract |
≪1 研究の目的≫ 人間は、情報に意味を見て取り、構造化するという意味作用を行うことにより、能動的な情報処理を行っている。その際に、<般化><同定><差異化>という機能を通じて、情報をカテゴリー化している。例えば人間は、数多くいる昆虫の中に猫が混じっているとすると昆虫の中から、猫を動物として<般化>して他の昆虫とは区別する。このように、人間の知識は、カテゴリー化が行われることによって、記憶にかかる負荷が抑制され、効率的・経済的に知識が構築され、同時に活性化されやすくなるのである。 さらに言えば、カテゴリー化能力は、次のようにも言える。人は周りのものを実にうまく取り扱い、自分の目的にかなった役立て方をしている。この適応的な生活のための能力の一つが、このカテゴリー化能力である。 国語科授業においては、こういった言語を媒介にしたカテゴリー化能力を育成することが必要である。これを基礎の一つとして、<メタ認知>や(メタ言語能力)を育てることが出来よう。そこで本研究では、次のような目的によって、小学生における言語によるカテゴリー化能力について、研究を進めていく。 (1) 小学生のカテゴリー化の過程を発達的に明らかにする。 (2) 小学生のカテゴリー化能力は、国語科授業の中で、どのように活用されているかを明らかにする。 ≪2 方法≫ まず、本研究の基礎となる先行研究を把握する。次に、言語によるカテゴリー化能力の認知過程についての仮説を構築した。 次に、鳥取市内5校の小学校836人を対象に、3・4年200語、5・6年300語の語彙調査を行った。言語によるカテゴリー化がいかに行われているかを語彙テストによって、発達的に調べたのである。 また、鳥取市1校4年1クラスで、1単元10時間の国語科文学教材の授業を通して、教材本文の言葉がどのようにカテゴリー化されるかを毎時間追跡調査した。 ≪3 結果≫ (1) 小学校4年生を境にカテゴリー化能力が飛躍的に向上することが分かった。5年6年と、カテゴリー化能力が洗練されていくことが分かった。 (2) 小学生は、教科書本文の語句について、授業前には相当ばらばらの連想をするが、授業の進行につれ、かなりまとまった語句のイメージになってくる。そのときに、子どもは他者に影響されながらカテゴリー化を図っていき、従来の自分のカテゴリーを修正して、読み深めていることが分かった。
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