Project/Area Number |
06780248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計算機科学
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 正人 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30242572)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | オブジェクト指向設計 / OMT法(Rambaugh) / 動的モデル / 機能モデル / ObTS / 内部オブジェクト |
Research Abstract |
本研究は代表的なオブジェクト指向設計法であるRumbaugh等によるOMTの3つのモデル(機能モデル、動的モデル、オブジェクトモデル)のうち、機能モデルおよび動的モデルの形式化を行い、厳密で形式的な理論的基盤に立ったオブジェクト指向設計法を確立するための基盤とすることを目的とする。 最初にOMTの動的モデルに着目し、形式化を行った。従来動的モデルはState Chartなどを利用して記述していたが、これは状態を階層化するための基準が明確でなく、また全ての変数が大域的であるためシステムの状態を形式的に記述するのが困難であった。本研究では各状態自身をオブジェクトとしてとらえることで状態の階層関係を明確に定義したモデルObTSを提唱した。 ObTSではシステムの構造を属性と遷移図を持ったオブジェクトの集まりと考える。システムの動作は各オブジェクトの状態遷移およびイベントの大域的(同報)通信によってモデル化する。各オブジェクトおよびイベントは局所的な属性と呼ばれるデータを持ち、計算はすべてこの属性を通じて関数によって記述される。 機能モデルにおいて依存関係を持たないオブジェクトは並行に動作する可能性があるが、ObTSではオブジェクトの並行動作は内部オブジェクトによって記述する。これは親オブジェクトの状態の一つとして記述され、同一の起動/終了イベントを持つ状態オブジェクトの組は同時並行に動作するという解釈をモデルに与える事によって実現される。 ObTSによって、動的モデルの特徴である状態遷移図と機能モデルの特徴である関数計算が同一のフレームワークにより形式的に記述できることが確認された、ただし動的モデルと機能モデルの整合性の検証については、ObTSによる記述の階層構造において葉の状態に記述される関数と機能モデルの関数との間に部分的な関係は認められたものの、全体の整合性を検証できるまでには至っていない。また動的モデルと機能モデルが別々の階層構造を持つ場合、双方の階層構造の食い違いを修正する方法などにまだ多くの課題を残している。
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