Research Abstract |
研究実施計画にしたがい,超並列計算機のための運転監視機構に関して研究を行った.本年度の主な研究成果を以下に示す. 1.構成方式の検討:超並列計算機向き運転監視機構を実現するために解決しなければならない問題点等を,メンテナンス機能およびプロファイル機能の各々について明らかにし,具体的な設計方法を明確にした.採用したシステム構成は,可能な限り実装面積や製造等のコストの点で安価で,かつ,実装が容易である構成を採り,超並列計算機開発の初期段階でシステムのデバッグを支援する機構としても使用でき,運転監視機構に要求される機能を全て備えている.具体的には,実装容易なネットワークとして,従来より計算機システム上で広く用いられているSCSI(Small Computer System Interface)バスとイーサネットを採用した簡易ネットワークを採用した.また,イーサネットと同様な特長を備えるRS-485-Aによるシリアルインタフェースネットワークもその能力的に十分採用可能であることが確認できた. 2.小規模システムの構築および評価:設備備品で購入した3台のパーソナル・コンピュータ,および,既設のパーソナル・コンピュータを利用し,1.で提案した運転監視機構の小規模システムを構築した.具体的には,システム構築の際に開発する必要がある基本ソフトウェア(インターフェース・ドライバ等)を作成し,さらに運転監視機構に採用したネットワークの転送能力等について評価を行った.その結果,提案する運転監視機構がその機能を満たすために十分な能力および機能を備えていることが確認された.この評価により,運転監視機構の基本構成およびメンテナンス機能については明確に評価できた.しかしながら,研究期間の不足によりプロファイル機能については.十分な評価結果を得るには至らず,今後の研究課題として残された.
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