Project/Area Number |
06780284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計算機科学
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村木 尚文 山口大学, 工学部, 講師 (60229979)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 量子情報理論 / 量子確率論 / Fock空間 |
Research Abstract |
報告者は量子系の情報理論・確率論に関する文献・論文を収集し、量子通信路の数理モデルの可能性を探った。その結果、近年、Hudson-Parthasarathy等によって展開されている量子確率解析の手法が、量子情報理論の数学的定式化においても有用であるとの感触が得られたので、量子確率解析を情報理論の形式に乗せることを試みた。 論文[1]は、量子確率解析の数学的基礎を概観したものである。量子系(=非可換系)に対する確率論を、通常の古典系(=可換系)の確率論(=Kolmogor ov の確率論)とある程度並行的に議論することが可能であり、量子論においては古典論における道の空間に代わるものとしてFock空間が出現し、これが議論の土台となることがわかった。 報告者は、量子通信路もある種の量子確率過程であるはずだから、Fock空間の手法によって数学的に定式化されるべきであると考えている。光通信路についてのOhyaのモデルはFock空間の特殊な場合(1次元の場合)を用いた定式化と見ることができるという事実もこれを支持している。 報告者は、今後、Fock空間の確率論的構造を調べることにより、量子通信路の数学的構造に更に一歩近づきたいと考えている。また、最近、量子系に対する大偏差原理の議論がHiai-Petz等によって成され、いくつかの極限定理が得られているが、これを符号化の議論に結びつけることも将来の課題としたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)