Project/Area Number |
06780390
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼井 英之 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (10243081)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 計算機実験 / ブラックアウト / 再突入宇宙機 / プラズマ層計測 / KEMPO3D / 宇宙往還機 / 通信途絶 / 電波放射 |
Research Abstract |
本研究では、地球往還型宇宙機が地球大気圏に再突入する際に生じるブラックアウト現象(通信途絶現象)の解析を3次元電磁粒子コード(KEMPO3D)で計算機実験を用いて定量的に行った。 まず、局所磁場印加によるブラックアウト回避法に関して必要となる磁場強度の評価と定式化を行なった。これにより放射電波エネルギーのプラズマ層透過率は最大30%程度という結果が得られた。低透過率の主な原因は、印加磁場が3次元ダイポールということが考えられる。磁力線に平行に伝搬する電磁波の一部がプラズマ層を直進透過することができないためである。 次に、電波放射によるプラズマ層のパラメータ計測法の開発と検証を行なった。最高プラズマ周波数に関しては、周波数掃引もしくはパルス波の利用によって推定が可能であることが分かった。次にアンテナからの直接波とプラズマ層による反射波の電界の干渉を機体表面上で計測し、幾何工学的に電波の反射点を推定する手法を提案し、その計算機実験を行った。その結果、プラズマ層の最高プラズマ周波数近傍の周波数をもつ電波により、プラズマ層の中心距離について推定できることが明らかになった。 プラズマ層の幅に関しては、計算機実験により理論反射点と推定反射点との誤差をあらかじめ計算しておき、この情報を基に実際の推定反射点のパターンから理論反射点、すなわちプラズマ層の密度プロファイルを得ることを考案した。 本研究を通じて、再突入宇宙機近傍の電磁環境のような容易に実際に実験を行うことの出来ないプラズマ中の電磁波の定量的解析には、3次元計算機実験が非常に有力な手段となりうることがわかった。
|