Project/Area Number |
06780397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
杤久保 文嘉 東京都立大学, 工学部, 助手 (90244417)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 大気圧放電 / グロー放電 / プラズマ診断 / 時間分解発光分析 / 放電プラズマの電気的特性 |
Research Abstract |
一般に大気圧下での放電は、ストリーマの進展を伴うため局所的な放電となるが、近年、大気圧下でもグロー放電が生成できることが報告されている。本研究では、大気圧グロー放電プラズマの放電構造、放電維持機構を明らかにすることを目的とし、電気的な特性の測定とプラズマの時間分解発光分析を行なった。 実験システム 平行平板電極に100k〜300kHzの交流電圧を印加し、大気圧グロー放電を発生させる装置を製作した。両電極、あるいは一方の電極の放電面に誘電体(石英)を用いている。ガスはHeを用い、圧力は100〜760Torrの範囲で行なった。放電プラズマからの発光の観測にはフォトンカウティング法を用い、微弱光に対しても計測可能な時間分解発光分析システムを構築した。 得られた成果 電流波形においては、交流電圧が最大になる位相よりも早い時間帯で半値幅500ns程の鋭いピークが出現した。このピークが出現する位相は印加電圧の上昇と共に、また、圧力の低下と共に更に早い時間へと移動している。また、放電プラズマからの発光は電極直前で強く、発光の時間的な変動は電流のピークと一致していることが確認された。これらの事実より以下の新たな知見を得た。 ・放電は電流のピークに対応した急峻な電離により維持されている。 ・エネルギーの高い電子ほどカソード近傍に多く分布している。これより、電離はカソードシースで起きていると考えられる。 ・電流密度等から判断して、誘電体表面に蓄積した電荷による誘電体での電圧降下は僅かであり、無声放電における誘電体の役割とは異なる。 なお、これらは平成6年度の電気学会全国大会で発表する予定である。また、より詳細な測定を加えた後、論文誌に投稿する予定である。
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