Project/Area Number |
06780400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
エネルギー学一般・原子力学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長崎 晋也 東京大学, 工学部, 講師 (20240723)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ネプツニウム / 還元 / 過酸化水素 / CMPO / TBP / アクチニド分離プロセス |
Research Abstract |
CMPOを用いて低濃度硝酸溶液からのネプツニウムの抽出による精度分離を行った。低濃度硝酸溶液中でネプツニウムは5価が安定であるが、2座配位のCMPOを用いた場合、1座配位のTBPと比較すれば高い効率で分離することができる。しかし、アクチニド分離プロセスとしては、その分離効率は決して高いとは言えない。そこで、ネブツニウムの精密分離の高度化を達成するために、5価から4価に還元する方法の可能性を検討した。 本研究では、還元剤として過酸化水素の有効性を検討した。その結果、2.2M硝酸溶液に0.8Mの過酸化水素を添加した場合には、1回の分離操作で95%以上のNpが分離されることが確認された。この時、CMPO中に抽出分離されたNpの酸化状態はほとんどが4価であった。また、薄い硝酸溶液にシュウ酸を添加し、Npを含むCMPOと接触させることにより、効率的にNpを硝酸溶液中に逆抽出することができることも確認された。 本研究結果は、使用済み燃料の再処理によって発生する高レベル放射性廃液からNpを精密に分離・回収するプロセスを構築するためには、抽出剤としてCMPOを用いNpの還元剤として過酸化水素を利用するプロセスが有効であることを示している。さらに、CMPOに抽出されたNpはシュウ酸によって水相中に回収できることから、本プロセスは極めて効率的で実用的なプロセスであると判断される。但しこの場合、過酸化水素の添加により高レベル放射性廃液中に共存するPu(IV)がPu(III)に還元される可能性があるため、回収段の第1ステップで希硝酸によりPu(III)を回収した後に、第2ステップでシュウ酸によりNpを回収するプロセスが適していると考えられる。
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