Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は、電子・イオン衝撃による2次電子放出特性の2次電子放出比(積分量)、放出エネルギー分布や放出角度分布(微分量)、放出統計分布等の詳細な情報を計算機シミュレーションにより得るためのプログラムの開発、計算を行った。計算は主に、核融合装置内のプラズマ対向壁材料として利用され始めているベリリウムをターゲット材料に選んだ。電子衝撃の場合、2次電子放出比、後方散乱率、放出エネルギー分布、放出角度分布は実験をほぼ再現でき、定性的に2次電子放出特性を説明可能になった。放出統計分布からは、固体内部の電子増殖過程の重要性を明白にする事ができた。また、ターゲット表面に存在する表面凹凸をモデル化した計算により、2次電子放出比の増加、エネルギー分布の低エネルギー側へのシフト、放出角度分布の顕著な変化等実験の再現も更に向上、新しい情報も得られた(J.Phys.Soc.Jpn.,63,3907(1994);J.Plasma.Res.,70,1298(1994);J.Nucl.Mater.,(1995),in press)。イオン衝撃の場合、主に水素イオン衝撃を行い、電子入射の場合と同様2次電子放出特性が説明可能になると同時に、電子衝撃とイオン衝撃の類似点と相違点を明白にする事ができた。詳細な結果は、共同研究を行っている徳島大学工学部電気電子工学科 大宅 薫 氏のScanning Microscopy Intcrnational 1995 meeting(5/6-5/11,Houston,U.S.A.)招待講演で公表予定である。プラズマ中に存在する低エネルギー多価イオン衝撃による2次電子放出のシミュレーションのためのプログラム改良・拡張、計算により2次電子放出比の価数依存性、エネルギー分布の実験の再現等の結果を得た(7th International Conference on the Physics of Highly Charged Ions(9/19-9/23,Vienna,Austria,1994);Nucl.Instrum.& Methods.Phys.Res.B,(1995),in press)。多価イオン衝撃の場合、現在コードで取り扱っているkinetic放出機構に加えてpotential放出機構が重要であるため、プログラムを更に改良・開発注である。
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