Project/Area Number |
06780437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立花 章 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (20188262)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 放射線誘発突然変異 / 欠失突然変異 / アタキシア・テランジェクタシア / hprt 遺伝子 / 遺伝的不安定性 |
Research Abstract |
アタキシア・テランジェクタシア(AT)患者由来リンパ芽球様細胞 GM2783 から得られたガンマ線誘発 HPRT 欠損突然変異体では hprt 遺伝子の全領域が欠失しているクローンが多数見られた。このような大きな欠失突然変異の範囲を明らかにするために、hprt 遺伝子の5´側と3´側のマーカーについて検討を行った。hprt 遺伝子の5上流約400kbのDXS79と、3´側約800kbのDXS86を用いてガンマ線誘発変異体について解析した結果、hprt 遺伝子の全領域が欠失している8クローンのうち、2クローンにおいては両方のマーカーとも検出され、これらの変異体では hprt 遺伝子と両マーカーの間に欠失切断点が存在するものと考えられる。他の1クローンにおいてはDXS86 マーカーは存在したもののDXS79 マーカーは見られず、5´上流にかなり大きな欠失があるものと推定された。残りの5クローンでは両マーカーとも欠失しており、欠失範囲は約 1.2Mb 以上と非常に大きいことが明らかになった。これまでに他の研究室から hprt 遺伝子近傍においてこの程度の大きさの欠失があることが報告されているがいずれも頻度は低く、今回の様に約 30% (5/15) の変異体に見られるほど高い例はない。従って、GM2783 細胞では非常に大きな欠失突然変異が電離放射線によって高頻度に誘発されるものと結論できる。これとは別に、日本人患者から樹立された線維芽細胞株 AT2KYSV から得られた自然突然変異体においても hprt 遺伝子の全欠失が見られた。この細胞に関しては未だ十分な数の変異体が得られていないが、現在までの結果はこの細胞においてもやはり hprt 遺伝子座での非常に大きな欠失突然変異が高頻度に生じていることを示唆しており、GM2783 細胞の結果と合わせると AT 患者由来細胞では遺伝的不安定性が hprt 遺伝子座での高頻度の大きな欠失を招いているものと考えられる。
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