紫外線及び電離放射線応答性遺伝子の発現制御における転写調節エレメントの検出
Project/Area Number |
06780445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
根井 充 放射線医学総合研究所, 養成訓練部, 主任研究官 (10164659)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 放射線 / ユビキチン / 遺伝子誘導 / AP1 / インビボフットプリント法 / LMPCR法 |
Research Abstract |
放射線による亜致死的なDNA損傷は、様々な遺伝子の発現を誘導し、細胞、組織レベルで種々の放射線適応応答機構の発現をもたらす。我々はそれまでヒトのユビキチン遺伝子UbCが紫外線誘導性であることを見い出し、これが転写因子AP1の活性化を介する経路によって制御されている可能性を示唆してきた。そしてこの可能性を確かめる目的で本助成(平成6年度科学研究費奨励研究(A))を受け、以下の事柄を明らかにした。(1)HeLa細胞のゲノムライブラリーからUbC遺伝子を単離し、5′上流領域の塩基配列を決定したところ、遠隔調節領域に2個のAP1認識配列を見い出した。(2)チャイニーズハムスターの培養細胞(V79)ではユビキチン遺伝子の紫外線による誘導は顕著に観察されないが、UbC遺伝子と進化的に等価と考えられる遺伝子CHUB2クローニングして5′調節領域の塩基期配列を決定したところAP1配列は1個も存在しなかった。(3)高感度、高分解能インビボフットプリント法(LMPCR)を用いてUbC遺伝子上流調節領域のDNA-タンパク質相互作用の動態を解析したところ、2個のAP1認識配列に明瞭なフットプリントが観察された。しかしこれらのフットプリントは紫外線によるUbC遺伝子の誘導に先立って既に出現しており、AP1配列におけるAP1の結合そのものによる遺伝子の誘導という機構は働いていないことがわかった。最近いくつかの遺伝子で報告されているようにDNAに前もって結合しているタンパク質因子がタンパク質-タンパク質相互作用等によって修飾を受けて遺伝子の転写を活性化する機構が働いている可能性が考えられる。一方AP1の近傍に存在するCEBP配列にフットプリントが見い出され、紫外線の照射前後でそのパターンが変化することが観察された。CEBPを介した遺伝子の放射線応答機構はこれまで報告されておらず、新たな誘導機構の可能性として注目に価すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)