Project/Area Number |
06780451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
清野 正子 摂南大学, 薬学部, 研究員 (30239842)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水銀耐性遺伝子 / 水銀浄化 / Pseudomonas K-62 / 有機水銀分解酵素 / 水銀還元酵素 / mer オペロン / 制御機構 |
Research Abstract |
水銀の環境汚染は世界的規模で現在進行中であり、環境中の水銀の除去は早急に解決されなければならない問題であるが、現時点では実用化されていない。そこで筆者は水銀耐性菌(Pseudomonas K-62)の水銀代謝機構を遺伝学子レベルで解明することにより、微生物を利用した水銀浄化モデル系を確立することができると考えた。 本菌の水銀耐性は有機水銀分解酵素と水銀還元酵素の二つの酵素が関与しており、これまでの研究において、筆者はこれらの酵素がプラスミド上の水銀耐性遺伝子(mer オペロン)に支配されているという知見を得ていた。本年度は本菌のの水銀代謝機構を遺伝学子レベルで解明することに焦点を合わせ実験を行い、以下の結果を得た。 本菌の26-kb plasmid上に存在する水銀耐性遺伝子(mer オペロン)を含む遺伝子断片のクローニングに成功した。水銀耐性遺伝子をクローニングベクターに組換え、得られたplasmid(pMRA17)を形質転換した大腸菌の塩化第二水銀、メチル水銀および酢酸フェニル水銀に対する耐性は宿主に比べ有意に上昇していた。また、^<203>HgCl_2およびCH_3^<203>HgClを^<203>Hg^0にまで代謝、解毒する活性を有していた。以上の結果より、本菌の水銀耐性遺伝子が大腸菌内で発現することが明らかとなった。 次に、pMRA17上で、既知のmerR(regulatory gene)とハイブリダイズする領域付近の塩基配列を常法に従って決定したところ、本菌のmerRと思われる塩基配列はTn501 merRの塩基配列と約85%の相同性を示し、アミノ酸配列間の相同性は約90%であった。現在、merRの下流の塩基配列を解析中である。今後は本菌のmer operonの全塩基配列を決定し、本遺伝子が持っている情報を明らかにする予定である。また、本遺伝子は既知の水銀耐性遺伝子とは制御機構が異なっており、本遺伝子のオリジナルな制御機構についても検討する予定である。
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