抗体による特異的構造認識を利用したシガトキシンの絶対構造決定
Project/Area Number |
06780458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 誠 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80235267)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シガテラ / シガトキシン / 絶対構造 / JKLM環部 / ハプテン / 抗原抗体反応 / ハプテンアルブミンコンジュゲート |
Research Abstract |
食中毒シガテラの主要原因毒シガトキシン(CTX1B)およびその類縁体は、強力で特異的に細胞膜ナトリウムチャネルを活性化する脂溶性ポリエーテル化合物であり、チャネル蛋白の機能解明のための研究試薬としての需要が高まりつつある。しかし、その絶対構造は未定である。本研究では、抗原抗体反応の高い親和性と厳密な抗原特異性を利用してCTX1Bの絶対構造を決定することを目的とした。すなわち、両鏡像体が入手可能な糖質化合物を出発原料としてCTX1BのJKLM環部フラグメントの両鏡像体を立体選択的に合成し、それらをハプテンとする抗体と天然のCTX1Bとの交差反応性を検討することによって、CTX1Bの絶対構造を決定することを目的とした。 1.シガトキシンJKLM環部の合成:環状エーテルが13個梯子状に連なったCTX1Bの構造のうち既製の単クローン抗体が精密構造認識していると推定される右単部4環(JKLM環)を含む部分構造を本研究の合成標的とした。すでにD-グルコースを出発原料としてCTX1BのKLM環部の立体選択的合成を完了しているが、さらにJ環部を伸長し、四環性のJKLM環部フラグメントを立体選択的に合成した。この際、鍵反応であるK環部7員環エーテル環形成反応および各段階の反応条件の最適化を行い、効率的合成経路を確立した。 2.シガトキシンJKLM環部の光学対象体の合成:L-グルコースを出発原料として用い、1.で確立した合成経路に従いJKLM環部の光学対象体を立体選択的に合成した。 3.抗原の調製:以上のようにして合成したJKLM環部フラグメントとその光学対象体をそれぞれカルボン酸へと誘導し、活性エステル化法により牛血清アルブミン(BSA)のリジン残基に結合させ、ハプテンアルブミンコンジュゲートの合成に成功した。こうして得たコンジュゲートのアルブミン1分子当たりのハプテンの結合数は10分子以上であり、免疫に必要なハプテン価として十分であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)