Project/Area Number |
06780466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢崎 一史 京都大学, 薬学部, 助手 (00191099)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シコニン / デオキシシコニン / ムラサキ / 植物培養細胞 / 水酸化反応 / エステル化反応 |
Research Abstract |
Geranylhydroquinone以降のシコニン生合成中間体を検出するために、ユニバーサル・ラベルのフェニルアラニンを用いてトレーサー実験を行なった。シコニン生産培地M9にムラサキ培養細胞を移植し、^<14>C-標識フェニルアラニンを投与した。投与時期の詳細な検討により、M9培地移植後7日目にフェニルアラニンを投与した場合、放射活性のシコニン誘導体への取り込み率が最も高いと判明した。抽出した放射活性物質を分析した結果、未知の疎水性シコニン生合成中間体は検出されなかったが、シコニン側鎖に水酸基を有しないデオキシシコニンの速やかな生成と減少が観察された。またそれに伴ってアセチルシコニンなど各種シコニン誘導体の生成も認められ、デオキシシコニンが生合成中間体であることが示唆された。そこで、ムラサキ培養細胞に生産させた放射活性デオキシシコニンを、prep.TLCにて単離し、新たにムラサキ培養細胞に投与したところ、シコニンのエステル誘導体へ約20%もの効率で放射活性が取り込まれた。一方、シコニンの標識化合物も同様に調製、投与したが、こちらは全くそのエステル誘導体には変換されなかった。このことから、シコニン生合成の場とされる細胞内vesicleにおいて2種類の酵素系がマルチエンザイム・コンプレックスを形成しており、デオキシシコニン側鎖の水酸化、およびエステル化をシコニンの遊離を経ることなく行なっていると考えられた。そこでショ糖密度勾配遠心法により得たvesicleフラクションを用いて、Triton-Xの存在下、酵素実験を行なったところ、シコニンは全く基質として取り込まれなかったのに対し、デオキシシコニンはin vitro系でアセチルシコニンまで変換されることが示された。以上の結果よりシコニン誘導体側鎖の酸素原子はgeranylhydroquinoneが閉環し、ナフトキノン核が形成された後、最後に導入されることが明らかとなった。
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