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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ポリ[(N-アセチルイミノ)エチレン]を親水成分としたブロック共重合体を種々合成し,水中,有機溶媒中とも安定に機能する高分子-酵素集合体の開拓を目的として研究を行い以下の結果が得られた。 1.種々合成したブロック共重合体に対して、ゲル濾過法、蛍光プローブ法,核磁気共鳴スペクトル、粘度測定、および動的光散乱装置を用いて、水中における集合体形成能と高分子の構造との関係について検討したところ、疎水成分の固いドメインの形成力が集合体形成の駆動力となっており、この集合体は90%以上は水で構成されているかなり膨潤した構造であることがわかった。次に酵素としてリパーゼPを用いて集合体との水中での相互作用をゲル濾過により評価したところ,疎水成分の構造に関わらず高分子集合体中に強く取り込まれたことがわかった.リパーゼは高分子集合体に取り込まれることにより活性が遊離のものより50%も上昇することがわかった. 2.親水性有機溶媒中での高分子集合体の安定化を図るため疎水成分としてポリ[(N-ノナノイルイミノ)エチレン]を用いたブロック共重合体に対して,水-有機溶媒系における集合体の安定性およびその酵素との相互作用について検討した.親水成分であるポリ[(N-アセチルイミノ)エチレン]をよく溶解するアルコールやアセトニトリルなどの親水性有機溶媒を高濃度含む場合でも、疎水性の大きな疎水成分を有する高分子からなる集合体は安定であること示した。次に親水性有機溶媒としてアセトンを加えていったときのリパーゼ活性に与える影響を遊離の酵素と比較したところ,集合体に取り込まれることにより活性の低下を押さえる効果があることがわかった.
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