神経組織に特異的に発現するミオシンの機能とその発現機構の解明
Project/Area Number |
06780492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 正行 北海道大学, 理学部, 助手 (50241295)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ミオシン / 非筋細胞 / 神経組織 / 組織特異的発現 |
Research Abstract |
非筋細胞ミオシン重鎖のアイソフォームであるMHC-Bのアクチン結合部位に神経組織特異的に発現しているB1インサーションの機能及びその発現機構を明らかにすることを目的として今年度は以下の研究を行った。 (1)インサーション部分に相当する12merのペプチドを合成し、それに対するポリクローナル抗体を免疫ウサギから調製した。以下はこの抗体を用いた実験結果である。 (a)小脳組織でのB1の発現部位を特定するために、小脳の凍結切片を用いてイムノヒストケミストリーを行った。MHC-Bアイソフォームのすべてのサブタイプを認識する抗体を用いて蛍光抗体染色をしたところ、プルキンエ細胞層と分子層が染色された。B1に対する抗体を用いた場合、プルキンエ細胞層が特に染色された。この結果は、MHC-B(B1)がプルキンエ細胞の細胞体に特に発現していることを示唆する。 (b)前年度の研究で神経成長因子によって分化誘導されたPC12細胞においては、MHC-B(B1)は発現しないことがわかった。そこで、今年度は、ラット小脳の神経細胞の初代培養系を試み、試行錯誤の結果、ようやく好ましい培養条件を確立できた。この初代培養系を蛍光抗体染色したところ、B、B1の抗体共にプルキンエ細胞と思われる非常に大きな細胞の細胞体を特異的に染色した。現在この細胞が本当にプルキンエ細胞であるかどうか検討中である。 (2)B1インサーション配列が、脳を持つ生物に普遍的に存在するかどうかを検討するために、まずは、MHC-BのでcDNA配列が決定されているアフリカツメガエルと、抗体によってB1の存在が確認されているラットの脳からto talRNAを調製し、PT-PCR法を用いて調べた。その結果、ラットのB1インサーションの配列はヒトと完全に一致した。ところが、アフリカツメガエルからはRT-PCRプロダクトは得られず、B1が存在していないと考えられる。現時点でB1の存在が確認されている生物は鳥類とほ乳類に限られており、両生類には存在しないことから、B1インサーションは進化上において鳥類とほ乳類との分岐点である初期爬虫類で発現し始めたのではないかと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)