Project/Area Number |
06780528
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 茂敬 東京大学, 薬学部, 助手 (10204752)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | ナメクジ / 咀嚼運動 / 口球神経節 / 歯舌感覚神経 / Neuromodulator / Spike Broadening |
Research Abstract |
本研究ではナメクジの咀嚼運動回路を取り上げ、歯舌感覚神経(RM細胞)に対する各種神経伝達物質の修飾作用、および、その結果もたらされる咀嚼回路の機能的変化を検討した。RM細胞は運動リズムを生成する介在神経回路(Central Pattern Generator)との間に相互興奮性の結合を持ち、餌の硬さに応じて咀嚼パターンを修飾する重要な神経である。 RM細胞の静止電位に対するセロトニン、ドパミン、GABA、アセチルコリンの作用を調べたところ、GABA(10^<-4>M)あるいはアセチルコリン(10^<-4>M)の灌流投与によりRM細胞の脱分極が生じ、それに伴ってスパイク幅の延長が観察された。スパイク幅の延長は伝達物質放出量の増強をもたらすので、コリン性の入力によりシナプス伝達効率が増強される可能性を示唆した。RM細胞に対する入力を調べた所、口球上皮及び歯舌伸出筋を電気刺激したときに生じる興奮性シナプス後電位(EPSP)がアトロピン(2×10^<-4>M)あるいはd-ツボクラリン(10^<-4>M)により抑制され、コリン性入力であることがわかった。以上のことは、筋長や張力によりRM細胞と介在神経との結合が増強されることを示唆している。 最後に、数理モデルによる神経回路の再構築を検討した。数理モデルは感覚神経、介在神経、運動神経により構成した。各神経の記述はKYSオシレーター: X+(A_1X^2+B_1X+C_1)X+(A_2X^2+B_2X+C_2)X+D=0 で記述した。RM細胞の特徴であるスパイク幅の延長は、パラメータA_2およびB_2の増減で再現することが判明した。また、3種類の介在神経の結合をLymnaeaの実験データに基づいて構成することにより、咀嚼運動の特徴である3相性の運動リズムも再現できることが判明した。現在、RM細胞のスパイク幅の延長が咀嚼リズムに及ぼす影響を検討している。
|