光学的計測法を用いた大脳皮質視覚野神経回路を伝搬する神経興奮の解析
Project/Area Number |
06780531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
谷藤 学 福井大学, 工学部, 助教授 (60197530)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 光学的イメージング / 電位感受性色素 / 大脳皮質 / 視覚野 |
Research Abstract |
ラット大脳皮質より得た切片標本を用いて皮質特に視覚野の神経回路を明らかにする研究を行った。神経回路を興奮がどのように伝達されるかを直接観測するために、電位感受性色素をプローブとした光学計測法を用いた。この研究により明らかになったのは次に点である。 1)視覚入力部位である白質に電気刺激を与えると、興奮は6層と4層、さらに2-3層に強い興奮を引き起こしながら皮質表面に向かって伝播すること。このことは従来知られている視覚野神経回路から推測される結果とよく一致する。 2)水平方向の強い興奮伝播が脱抑制下において2-3層と5層を中心にみられること。このことは、垂直方向に伸びる神経回路に加えて、水平方向への興奮伝播を担う回路が視覚野に組み込まれており、その程度は、視覚野の興奮のレベルによってコントロールされていることを示唆している。 3)光学的に観測された興奮伝播に対する皮質の一部の遮断による影響の解析から、このような水平方向の興奮伝播は、水平方向にある程度の広がりを持つ垂直方向の神経結合を次々と介して興奮が伝播することによって起こることが示唆された。 これらの結果は、多くの神経細胞の興奮を集合としてとらえたときに得られた結果であり、さらに、単一神経細胞レベルでの解析が必要である。現在、スライスパッチクランプ法を用いることによって皮質内の単一細胞を刺激し、それによって引き起こされる神経興奮伝播を光学的にとらえる試みを行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)