Project/Area Number |
06780539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
楯 真一 東京都立大学, 理学部, 助手 (20216998)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | NMR / protein structure |
Research Abstract |
研究題目にあるV1蛋白質の研究は、共同研究者の転勤等不測の事態のためにサンプル調製が遅れ現段階でその立体構造を決定するに至っていない。しかし、当該年度では、同じく立体構造が未知の蛋白質である、cystatin A(チオールプロテアーゼ阻害蛋白質)を題材としてその高精度の立体構造を明らかとする事ができ、cystain関連蛋白質研究上重要な知見を得ることができた。以下得られた研究成果を箇条書きする。 1)現在まで立体構造が知られていなかったcystatin A(97残基)の溶液構造を2次元、3次元NMRを用いて決定した。計算により得られた15構造の間での8-93残基部分のrmsdは0.55 Aと高精度であり、生化学的な議論の土台とするに十分な質を持っている。 2)cystatin Aの主鎖^<15>Nシグナルの緩和時間測定から、cystatin A内部の主鎖の内部運動を解析した。この結果からは、cystatin Aのプロテアーゼとの結合部位とされる部分に他の部分とは有意に異なる大きな内部運動性があることがわかった。 3)高精度に得られたcystain Aの溶液構造を、アミノ酸配列上の相同性の高い(約50%)cystain Bと立体構造(パパインとの複合体として結晶構造が解かれている)を比較した結果、cystatin familyと呼ばれる相同性の高い蛋白質の間で極めてよく保存されているQVVAG配列部分のみに大きな構造上の相違が観測された。過去の分子生物学的な解析から、この部位のプロテアーゼとの結合に対する関与は、単純なアミノ酸側鎖の性質のみだけでは説明できないものであることが指摘されていたが、今回の結果からこの相同部位の立体構造変化が関与している可能性を指摘できた。また、やはりプロテアーゼとの結合に対して重要とされてきたN-末端領域を削除した変異体のNMRスペクトルから、N-末欠損により、このQVVAG配列部分にのみ局在したスペクトル変化が観測されたことから、この部位がN-末側の構造変化に特に鋭敏に変化する柔軟な構造をもっていることが解った。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)