ショウジョウバエ剛毛形態形成に関わるforked遺伝子の構造および機能の解析
Project/Area Number |
06780552
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石丸 聡 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (00203026)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | キイロショウジョウバエ / forked / 染色体内相同組み換え |
Research Abstract |
forked(f)は古典的に知られている、キイロショウジョウバエ成虫の剛毛(感覚毛)と毛の形態変化に関わる変異である。 f遺伝子には複数の転写物が存在する事を明らかにした。その内の一つ6.0kb転写物は染色体上約30kbにわたって12個のエクソンが存在する。一方2.5kb転写物は6.0kb転写物とは異なるプロモーターから転写され、約7kbにわたって6個のエクソンが存在する。これらは互いに3'側のエクソン5つを共有している。6.0kb転写物は12-18時間の胚期と蛹期で、2.5kb転写物は蛹期でのみ発現している。これら2つの他にも幾つか転写物が存在することが明らかになっており現在解析中である。 6.0kb転写物は1405アミノ酸からなるタンパク質を、2.5kb転写物は604アミノ酸からなるタンパク質をコードしていると予想される。これら2つのタンパク質はC末端側574アミノ酸が共通であり、どちらも新しいタイプのタンパク質であると考えられる。 f^<3N>では染色体領域2.9kbがtandemに重複していた。この重複領域をPCR法によってクローニングし、その領域を正確に同定した。この重複領域中には6.0kb転写物の第3エンソンが含まれていた。その結果第3エクソンが2個重複した転写産物が生じている事をPT-PCR法を用いることにより明らかにした。この様な転写産物において読み枠がずれ、正常な遺伝子産物が生じない。 f^<3N>からは非常に高い頻度で復帰変異株が生じることが知られている。3つの復帰変異株について、その構造を調べたところ、いずれも染色体内の重複した領域間で正確に組み換えが起こり野生型に戻っている事が明らかになった。 既に2.5kb転写物の構造とレトロトランスポゾン挿入により生じた幾つかのf変異体の変異の機構を明らかにしていた。今回の解析により、私はf遺伝子の全体構造及びf^<3N>変異とその復帰変異の分子生物学的な機構を明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)