bHLH型DNA 結合転写因子のダイマー形成特異性を決定するアミノ酸配列規則
Project/Area Number |
06780553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
白形 正樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70251551)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | DNA / 転写因子 / 分子生物学 / 筋細胞 |
Research Abstract |
選択的ダイマー形成の分子機構を理解することを目的に、筋細胞の系譜を決定するbHLH型転写因子(MyoD)とそのパートナーで組織普遍的に発現しているbHLH蛋白質(E12)とのダイマー形成の研究を進めてきた。これまでにbHLH蛋白質のダイマー形成特異性が2つのHLHドメン間の荷電アミノ酸残基対による静電気的引力と斥力によって決定されることを明らかにし、ダイマー形成の特異性を説明する簡単なアミノ酸配列規則を提唱した。本研究ではこれらHLHドメインにある荷電アミノ酸残基を様々なアミノ酸に置換した変異蛋白質を作成しそのダイマー形成を解析し、配列規則を実験的に確認することができた。これらの成果は単にダイマー形成の分子機構の理解をさらに一歩進めたばかりでなく、新たな実験をも可能にする。これまではbHLH蛋白質の機能を解析するためにダイマー形成の特異性を人為的に変えて行う実験は不可能であったが、本研究の成果である配列規則を利用してそのような実験が可能となった。またこの配列規則は一般的な規則であるから、MyoDばかりでなく様々なbHLH蛋白質に適応され研究に利用される。MyoDの場合、配列規則を利用して強くホモダイマーを形成する変異MyoDを作成することに成功した。この変異MyoDを使い、いまだに未知である筋細胞分化におけるMyoDホモダイマーの機能が明らかにすることが可能となった。さらに配列規則を確認する実験過程で、E12のbHLH領域から離れたドメイン(ダイマー形成阻害ドメイン)が積極的にMyoDとE12の選択的ダイマー形成にかかわっている新たな可能性も示唆され、今後の重要な研究課題となった。これらの転写調節因子のbHLH蛋白質に関する知見をさらにDNA複製調節に関わる因子にも応用するために、c-mycのダイマー形成とDNA結合を検討したところ、EBウイルス複製開始領域にc-myc結合部位が存在することを明らかにし、DNA複製調節の実験系も確立した。
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Report
(1 results)
Research Products
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