c-Met受容体を介した細胞内情報伝達におけるチロシンリン酸化蛋白質の役割
Project/Area Number |
06780591
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
駒田 雅之 関西医科大学, 医学部, 助手 (10225568)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 肝細胞増殖因子 / c-met癌原遺伝子産物 / シグナル伝達 / チロシン・キナーゼ / チロシン・リン酸化 / ジンク フィンガー |
Research Abstract |
我々は、hepatocyte growth factor(HGF)で細胞を刺激した時に分子量約115kDaの蛋白質(p115)が強くチロシン・リン酸化されることを見出している。したがってp115はHGFの細胞内シグナル伝達において何らかの役割を果していると予想される。しかしp115はいくつかの既知のチロシン・リン酸化蛋白質に対する抗体と反応しないことから、新規蛋白質である可能性が考えられた。そこで本研究ではp115の構造と機能を明らかにするために、その精製、およびcDNAクローニングを行った。 HGFで刺激したマウス・メラノーマ細胞株B16-F1から、抗ホスホチロシン抗体カラムとプレパラテイブSDS-PAGEの2ステップでp115を精製し、プロテアーゼ処理によって得られた6個のフラグメントのアミノ酸配列を決定した。これらの配列は既知の蛋白質と相同性を有しておらず、p115が新規蛋白質であることが示された。そこでこれらの配列をもとにオリゴヌクレオチド・プライマーを合成し、PCR法でp115cDNAを増幅した。そしてこのPCR産物をプローブとしてマウスのcDNAライブラリーをスクリーニングして完全長のcDNAを得た。このcDNAは775個のアミノ酸からなる蛋白質をコードしていた。一次構造上の特徴として、タンデムにつながった2個のZnフインガー領域、プロリンに富む領域、そしてプロリンおよびグルタミンに富む領域を有していたが、それ以外に既知のドメイン構造とのホモロジーは見出されなかった。ノーザン・ブロット解析の結果、p115のmRNAは3.0kbであり、調べた限りのすべてのマウスの組織、さらにマウス胎児においても発現していることが明らかとなった。以上の結果から、p115はHGFの細胞内シグナル伝達においてユニークな役割を果たす因子であることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)