ビタミンA(レチノイド)による血管内皮細胞の機能調節のメカニズム解明
Project/Area Number |
06780597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小嶋 聡一 理化学研究所, 安全評価研究室, 研究員 (10202061)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ビタミンA / レチノイド / 血管内皮細胞 / TGF-β / ミッドカイン / プラスミノゲン活性化因子 / PAインヒビター |
Research Abstract |
私は、ビタミンA(レチノイド)が血管の内側を構成する血管内皮細胞に働くと、強力な増殖分化抑制因子であるTGF-βの生合成、並びにTGF-βの不活性型から活性型への変換(TGF-βの活性化)を司る2種類の酵素(線溶系プロテアーゼのプラスミノゲン活性化因子:PAと、架橋結合を司るトランスグルタミナーゼ:TGase)の産生が共に高まり、活性のあるTGF-βが生成することを発見し、これに基づき、平成6年度の奨励研究において、 1.TGF-βが、内皮細胞のどのような機能をどのように調節しているのか、 2.ビタミンAによるTGF-βの産生・活性化誘起は他の細胞系においても普遍的にみられるのか、 3.ビタミンA処理した内皮細胞においてTGF-β以外のサイトカインが産生され、内皮細胞の機能調節に関わっているかどうか、 の3点について調べた結果、 1.内皮細胞におけるPA、及びTGF-βの産生促進には、両遺伝子上流にあるAP-1サイトが関与していることが示唆され、現在、これに核内レチノイン酸レセプターがどのように関わっているのか調べている。活性化誘起の結果生成したTGF-βが、自分自身の合成、及びコラゲンの合成を引き起こすことがわかった。 2.肝臓の細胞においても、ビタミンA処理でTGF-βが生じることがわかり、現在、その機構、及び生理的意味を調べている。 ビタミンA処理した内皮細胞においては、最近見つかった増殖分化誘導因子であるミッドカイン(MK)が産生され、ビタミンAによる線溶活性亢進に関わっていることがわかった。MKは、胎児性癌細胞がレチノイン酸により神経細胞に分化する際、特異的に発現が誘導される遺伝子として見つかった新規ヘパリン結合性成長因子である。今後は、MKが内皮細胞の他の機能にどのような影響を与えるのかをTGF-βの作用と対比させながら調べていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)