EIA結合蛋白質p300の生理機能と癌遺伝子c-jumの発現制御機構の解析
Project/Area Number |
06780598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北林 一生 理化学研究所, ジーンバンク室, 基礎科学特別研究員 (20261175)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | c-jun / p300 / retinoic acid / adenovirus E1A / cell differentiation |
Research Abstract |
マウスF9細胞等の胚性腫瘍細胞は、レチノイン酸(RA)処理やアデノウイルスE1Aの発現等により分化が誘導され、c-jun遺伝子は、F9細胞の分化に伴ってその発現が誘導される。本研究の目的は、F9細胞の分化に伴うc-jun遺伝子の発現誘導機構を解析することにより、細胞分化の分子機構を解明することを目的とする。今年度は、以下の解析を行ない、E1A結合蛋白質p300がこの制御に深く関与していることを明らかにした。 (1)c-jun遺伝子上流にRAやE1Aによる発現誘導に必要なDNA配列(DRE)を同定した。未分化F9細胞には、このDREに特異的に結合する転写因子DRF1及びDRF2が存在する。このうちDRF2は細胞分化に伴って消失し、この変化には蛋白質リン酸化が関与していることが示唆された。 (2)E1Aによるc-junの発現誘導には、E1Aのp300と結合する領域が必要であることが示された。 (3)293細胞よりp300を精製し、抗p300抗体を作成した。DRF1及びDRF2は抗p300抗体よりスーパーシフトした。また、p300を293細胞に強制発現させるとDRF1の量が増加した。しかし、精製したp300は単独ではDREに結合しなかった。これらのことから、DRFはp300を含む複合体であることが示された。 (4)p300は細胞分化に伴って高度にリン酸化された。また、p300とパヒローマウイルスE2のDNA結合領域の融合蛋白質は、細胞分化にともなってE2結合部位依存的に転写を活性化した。 以上の結果から、p300のリン酸化によりDRFが活性化されて、c-junの発現を誘導すると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)