Project/Area Number |
06780625
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
餅井 真 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90202358)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | silver変異 / ウズラ / 色素上皮細胞 / mi遺伝子 |
Research Abstract |
鳥類における網膜再生研究のモデルシステムとなる、ウズラsilver変異における色素上皮細胞の分化状態の解析と、変異の原因遺伝子の探索を行い、以下のような結果を得た。 1.silver変異体では、すでに報告されているとうり、5日目胚から色素上皮層の一部が厚くなり、神経網膜層に変わる。神経網膜層に変化しない部分の色素上皮層は野性型と比較して著しく色素化が悪いが、電顕観察したところ、色素顆粒の数が著しく少なく、顆粒自体の発達も不完全であることがわかった。このことから、silver変異が色素合成酵素の変異ではないことが予想された。 2.silver変異体の色素上皮細胞について、色素上皮細胞の分化マーカーであるMMP115,tyrosinase,TRP-1,pP344についてその発現をノーザンブロット解析したところ、いずれも野生型と同じ分子量の転写産物が検出されたが、その量は若干少なかった。 3.マウスmicrophthalmia変異の原因遺伝子であり、色素上皮細胞の分化を制御することが示唆されるmi遺伝子のウズラホモログについて、野生型とsilverとでその発現を比較したところ、silver変異の色素上皮細胞では、野生型と同じ分子量の産物が転写されるが発現量が多いことがわかった。 4.サザンブロットにより、silver変異とmi遺伝子との関係を解析した結果、野生型で検出される約4.0kbのHind3断片が、silver変異では約4.5kbに変化することが明らかとなった。 5.silver変異体の色素上皮細胞からmi遺伝子のcDNAを単離し、そのシーケンスを野生型と比較したところ、silver変異体では、miタンパク質の塩基性領域にあるヒスチヂンがアルギニンに変化し、さらにC端近くの77アミノ酸が欠損していることが明らかとなった。 以上のことから、silver変異では、色素上皮細胞の分化を支配すると考えられるmi遺伝子に変異が生じることにより、眼杯外層が色素上皮ではなく内層と同様に神経網膜へと分化したものと推定できる。
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