Project/Area Number |
06780629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八木沼 洋行 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90230193)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 神経発生 / 脊髄 / ニワトリ / 器官培養 / コラーゲンゲル |
Research Abstract |
年度前半で、脊髄外植体の培養条件の決定、年度後半に直視下での経時観察を行うことを目標に研究を進めたが、結果的には培養条件の決定に手間取り、直視下観察までは至らなかった。 外植体の培養条件の決定:培養条件を様々に設定し、孵卵3日から4日のニワトリ胚の脊髄を取り出して1日から1日半培養し、組織の状態や神経経路の発生の具合を検討した。外植体を埋め込むコラーゲンゲルは規程の濃度から2倍希釈まで試したが、適度な濃度は1.5倍希釈前後が適当であることがわかった。培養液はF12の無血清培地に各種の栄養素を添加したものとF12に馬血清を5%ほど加えたものを試したが、神経系の発達に対する違いは見られなかった。しかしどちらの培養液でも神経管の両側の間葉組織中に培養一日目でかなりの細胞死がみられることから、さらにニワトリ胚抽出液などを加えることが必要であると思われる。培養一日後の取り出された神経組織は、外見は概ねその構造を維持しているように見られたが、組織切片の精査の結果、神経管の底板領域の変形が脊策を取り去った例に多く見られた。神経経路の発達を見るためにDilや抗チュブリン抗体で染色したところ、ほぼ正常と見られる成長円錐を伴った軸索像が見られ、培養条件下でも軸索伸展は起きているものと思われた。しかしながらその発達度合は生体内のものと比べて遅れていた。また底板領域で軸策の伸長が止まっているような所見が得られた。おそらく底板領域の微妙な構造の変化が成長円錐の底板領域の通過に影響を与えているものと思われる。今後もさらに培養条件の検討が必要であるとともに、観察対象をもう少し遅い時期にするような工夫も必要であると思われる。 直視下経時観察:培養条件の決定と平行して共焦点顕微鏡による経時的観察の方法を検討した。コラーゲンゲルに埋まった外植体は液浸レンズを装着した共焦点顕微鏡で観察が可能であった。Dilを注入された外植体には2-3時間後には標識された成長円錐が観察された。数時間後に再び観察をすると、軸索が伸展した像も見られたが、いっぽう軸索の縮退したような像も見られた。これはおそらく観察時の低温やレーザー光によって傷害されたものと考えられる。今後さらに傷害を防ぐような工夫が必要と思われる。
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