視床外側腹側核における、小脳由来の単一神経終末周辺の糸球体微細構造の三次元的解析
Project/Area Number |
06780630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 二美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60205961)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 視床外側腹側核 / 電顕連続切片 / 小脳核 / 三次元再構築 / HRP / シナプス / 糸球体構造 / 運動系 |
Research Abstract |
ネンブタール麻酔ネコを用い、視床腹側部で小脳核由来と同定した単一軸索内にHRPを電気泳動法により注入し、エポキシ樹脂で平板包理した。通過型ブトン終末型ブトンそれぞれを、172枚、120枚の超薄連続切片によって観察し、標識終末とその周辺の構造物の微細構造上の特徴を明らかにし、立体再構築を試みた。この再構築には、RATOC社のTRIシステムを用い、電顕写真をトレースし、HRP標識終末等を輪郭面としてコンピュータに入力し、その輪郭面を重ね合わせた再構築像により、三次元画像の表示を行った。小脳核由来の神経終末は、黒く標識され、大型で、丸いシナプス小胞を含んでいた。終末型ブトン(長経4.5μm)、通過型ブトン(長経4.0μm)ともに、1個の視床皮質投射ニューロンの樹状突起と、6個の核内の介在ニューロンのシナプス前樹状突起に、非対称のシナプスを形成していた。また、そのシナプス前樹状突起が、同じ視床皮質ニューロンの樹状突起に対称性のシナプスを形成する、いわゆるtriad(3つ組)の形態をとるものが、終末型ブトンの場合は3個、通過型ブトンの場合は2個存在した。視床の微細構造の特徴として、複雑な糸球体構造(glomerulus)がよく知られているが、視床外側腹側核の場合は、小数のtriadの組み合わせで構成されていることが、明らかになった。これらは小脳核の刺激により、大きな興奮性入力のあとに、2シナプス性の抑制性の入力があるという生理学的な所見と一致している。しかしながら、視床の核内には、抑制性の介在ニューロンの軸索及び、視床網様核からの入力も存在するため、抑制性の入力分布の解析には、さらに詳しい検索が必要と思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)