慢性ストレスとProto-Oncogeneの発現について
Project/Area Number |
06780640
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
梅本 産太 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80244755)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ストレス / immediate early genes / c-fos / NGFI-A / 視床下部室傍核 |
Research Abstract |
我々は、ラットに数日間の繰り返し拘束ストレスを与えておくと、次に与える急性の拘束ストレスに対するc-fosの発現が視床下部室傍核において低下するということをin situ hybridizationを用い明らかにした。次にこの現象はc-fos以外のimmediate early genes(IEGs)について見られるのかどうかということをまず検討した。同様に繰り返しストレスに対する応答を調べたところ、我々の調べた範囲内ではNGFI-Aのみの発現は低下しないということを見い出した。NGFI-Aは海馬で長期増強に関与しているという報告もあり、同一のストレス刺激が繰り返し与えられた場合の視床下部室傍核のストレスホルモン産生等のストレス応答のsensitizationに対し何らかの役割を果たしているのではないかとも考えられ興味深い。我々は続いてこれらの繰り返しストレスに対するIEGsの異なる応答形成のメカニズムを探る実験に取り組んだ。視床下部-下垂体-副腎系の、比較的長期にわたり与えられる刺激に対する変化としてグルココルチコイドのbasalな血中濃度の上昇に注目した。グルココルチコイドがIEGsの異なる応答形成に関与があるならば、exogeneousに投与したグルココルチコイドによっても同様の応答が認められるはずであると考え、コルチコステロンを数日間投与したラットに急性の拘束ストレスを与えたところ、予想通りに全く同様のIEGsの応答が認められた。以上の結果より、繰り返しストレスにより上昇したグルココルチコイドがc-fosをはじめとするIEGsの発現低下をもたらし、NGFI-Aのみはこの影響を受けないことが解った。この実験については現在、コルチコステロンの血中濃度を持続的に上昇させた状態で更に検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)