末梢神経におけるニューロトロフィン受容体の発現に関するISH法による研究
Project/Area Number |
06780646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Kansai College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
樫葉 均 関西鍼灸短期大学, 鍼灸学科, 講師 (10185754)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ニューロトロフィン / trkファミリー / 感覚神経 / 運動神経 / 再生 / ISH法 / ラット |
Research Abstract |
ニューロトロフィンは神経細胞の分化、生存維持、再生などの作用を有することが示唆されているが、特に、作用の細胞特異性や再生における各々の働きについては不明な部分が多い。そこで、感覚及び運動ニューロンにおけるtrkA(NGF受容体)、trkB(BDNF受容体)、trkC(NT-3)、LANR(低親和性ニューロトロフィン受容体)のmRNAの局在と、坐骨神経切断に伴う産生調節の変化を明かにし、それぞれの細胞の再生課程におけるニューロトロフィンの役割について検討を進めた。ラットの坐骨神経もしくは後根(L4-5)を片側性に切断し、1-2週間後、L4-5レベルの脊髄もしくは後根神経節を取り出しIn Situハイブリダイゼーション法にてtrkファミリー及びLANRのmRNA発現の変化を検索した。 trkA、trkB、trkC、LANRmRNAは、それぞれ後根神経節細胞の35-40%、5-10%、15-20%、40-45%に発現してた。trkAmRNAは主に小〜中型、trkBmRNAは中型、trkCmRNAは中〜大型の細胞に発現していた。LANR陽性細胞は様々な大きさのものが存在し、それぞれ、trkmRNAと共存していた。これらのmRNAの発現は坐骨神経を傷害することで減少したが、中枢枝(後根)の傷害では変化しなかった。したがって、trk及びLANRmRNAは後根神経節細胞の末梢枝からの情報が重要であることを示している。一方、運動ニューロンにおいては、trkB及びtrkCmRNAが発現しており、trkAおよびLANRmRNAは認められなかった。坐骨神経を切断するとtrkBmRNAは増加する傾向を示したが、trkCmRNAは変化しなかった。LANRmRNAもまた坐骨神経を切断することで新たに発現した。trkBはLANRと共に運動ニューロンの再生において重要な働きをしているものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)