Project/Area Number |
06780675
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
田中 淳一 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00212035)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アンドロジェン / テストステロン / 迷路学習 / ストレス / 海馬 / 中隔野 / アセチルコリン / 記憶 |
Research Abstract |
性ステロイドホルモンの記憶に関与する海馬神経細胞の生命維持および可塑性における役割を明らかするため、海馬神経細胞への神経性入力にストレスがいかなる影響をおよぼすのか、また、その影響と性ステロイドホルモンレベルとの関係の有無について検討した。特に、記憶に重要な働きを持つことが指摘されている中隔-海馬のアセチルコリンニューロンの活動とシナプス変性についての検索を行った。去勢群、去勢+テストステロン群、対照群のラットを冷水ストレス負荷(5週間)の有無により計6群に分けた。八方迷路学習を行った結果、ストレス負荷の去勢群の成績が他の群に比べ低い値を示した。これらの動物をウレタン麻酔下にて、海馬采の電気刺激を行い海馬へ投射する中隔アセチルコリン作動性ニューロンを逆行性興奮の誘発により同定した。ストレス負荷の去勢群の絶対不応期は他群に比べ有意な延長が認められた。中隔刺激に対する海馬ニューロンの応答性においても、ストレス負荷の去勢群は他群によりも弱い応答性を示した。各群の一部の動物を麻酔下にて潅流を行い、免疫組織学的手法により中隔のアセチルコリンニューロンの細胞体および海馬における軸索終末などの変性について観察を行った結果、アセチルコリンニューロンの細胞体の減少がストレス負荷の去勢群に認められた。また、海馬神経細胞のアセチルコリン作動性シナプス数の減少もストレス負荷の去勢群で観察された。これらの結果より、性ステロイドホルモンが記憶に関与する中隔から海馬に至るアセチルコリン作動性ニューロンのストレスによる変性を阻止する働きを持つことが明らかとなった。
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