Project/Area Number |
06780691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
入来 篤史 東邦大学, 医学部, 講師 (70184843)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 大脳皮質 / 体性感覚野 / 単一ニューロン活動 / 手指運動 / 瞳孔運動 / 注意 / ニホンザル / 慢性実験 |
Research Abstract |
2頭のサルを用い、3大脳半球の体性感覚野手指(II/III指)領域から合計212個の単一ニューロン活動電位を記録し、そのニューロンの受動的刺激に対する受容野を同定するとともに、指運動課題遂行中のニューロン活動、腕および手指運動、瞳孔運動を測定し、これらの時間関係を解析した。1野で7個、2〜5野で20個のニューロンで、ボタンへの指接触に先行する散瞳の開始と同時に発火頻度が著明に増加した。このニューロンの活動は散瞳と伴うサルの心活動(おそらく指先の触覚に対する注意の喚起)によってひきおこされたものであろうと考えられる。さらに課題遂行中LEDの点灯に伴って散瞳はひきおこされたが、手指運動は行わなかった試行が5回以上記録された8個のニューロンについて、そのときの散瞳の大きさと誘発されたニューロン発射数との関係を検索した。散瞳開始後最大値に達するまでの間の発火数と最大散瞳率との間には有意の相関が見られた。このニューロン活動はサルの心的要因のみによってひきおこされたものと考えられ、活動の強さは喚起された注意の強さと平行関係にあることが示唆された。 同じサルを用い、指運動をさせる代わりに受動的刺激を行い、LEDが点灯しているときには刺激と同時に報酬をあたえたときのニューロンの活動特性を体性感覚野の45個のニューロンについて解析した。この実験中動物は手指運動を行わなかったが、指運動課題遂行中と同様にLEDの点灯に前後して瞳孔の散大がひきおこされた。この結果、注意が喚起されているとき(散瞳しているとき)に与えられた受動的刺激に対する反応のほうが安静時に与えられた同様の刺激にたいする反応よりも大きかったニューロンが6個、弱かったニューロンが5個記録された。このことから、注意による効果は単なる反応性の増強による感度の向上のみならず、必要な情報を取捨選択する役割も担っているものと考えられる。
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