微小循環系における血管内皮細胞と白血球の相互作用に対する流れの因子の影響
Project/Area Number |
06780717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大川 敬子 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30251052)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 微小循環 / 白血球 / 血管内皮細胞 / 血行力学 |
Research Abstract |
微小循環系における血液循環の障害は臓器機能の破綻を誘起し、多くの循環器疾患と直接に関わっている。その中でも白血球は、血管壁、特に細静脈壁に粘着するという特異な性質を示すため、微小循環系の血流動態に対する影響が大きい。白血球-血管内皮細胞の接着を支配する接着分子が、最近、次々と明らかにされているが、そのほとんどは、in vitroの実験系による薬理学的あるいは分子生物学な研究である。白血球と内皮細胞の実際の接触の場である、生体の微小循環系での研究例は少なく、血管内を転回する白血球のsubtypcすら未だ不明である。そこで本研究では、手術操作をともなわずに生理的な血行動態の観察が可能な部位である。爪床(nailfold)の微小血管床に注目し、血管内を転回する白血球の分類を試みた。 生体顕微鏡システムなど主要な設備は既有のものを使用し、観察対象としては、ラット後肢爪床の微小血管床を用いた。血流中の白血球の核型をより明瞭に可視化するために、アクリジンイエロ-を経静脈的に投与し、白血球を選択的に蛍光染色した。また、全血中の白血球の計数と分類も、あわせて行った。その結果、ラット全血中の白血球の約30%を多形核白血球(polymorphonuclear lcukocytes;PMN)が占めるのみであるにもかかわらず、血管内を転回する白血球の約75%以上がPMNであることが明らかになった。アクリジンイエロ-による蛍光染色は、全身血圧や心拍数にも影響が少なく、微小血管床の血行動態を安定して観察することが可能であることから、in vivoにおける白血球-血管内皮細胞の相互作用を研究する上で、有用な手段となりうることが、確かめられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)