Project/Area Number |
06780728
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
指輪 仁之 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20205884)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キチン / 生体内消化性 / リゾチーム / キチナーゼ / 動物血清 / 酢酸クロルマジノン / 避妊効果 / 徐放性 |
Research Abstract |
生体に対して毒性や抗原性が低く、生体内消化性を有するキチンを担体とし、合成黄体ホルモンの一種で犬等の伴侶動物の避妊効果をもたらす酢酸クロルマジノン(CMA)を薬物とした徐放性医薬の開発について研究した。まず、生体内に存在するキチン分解酵素(リゾチーム、キチナーゼ)を用いてin vitroにおけるキチン(イカ軟甲由来)の分解性を重量減少法で検討したところ、キチンはキチナーゼにより8日間で90%以上の分解性を示したが、リゾチームでは同条件で約20%程度の分解性にとどまった。また、各種動物の血清を用いてin vitroにおける分解性を同様に検討したところ、牛血清では約50%程度の分解性が認められたが、ヤギ、イヌの血清ではあまり分解しなかった。以上の結果から、キチンの生体内消化性は動物種により異なり、その違いは動物体内に存在するキチナーゼ様酵素に依存すると考えられる。 次に、キチン粉末(エビ殻由来)とCMAとを混合、圧縮成形し、円形の錠剤を調整した(キチン錠剤)。更に、この錠剤を水溶性キチン誘導体のカルボキシメチルキチン(CD-キチン)で被覆した(CD-キチン錠剤)。上記2種類の錠剤を犬の体内に埋め込み、5日目までの血中CMA濃度を測定した結果、キチン錠剤、CM-キチン錠剤いずれの場合も5日以内ではほぼ有効な血中濃度を維持していた。尚、実験中及び実験後も犬への毒性はほとんど認められなかった。更に、5日目に錠剤を取り出し、異物反応に伴うカプセル化、錠剤の分解性、埋め込み部の浸出液量を観察した結果、キチン錠剤ではいずれも著しい変化は認められなかったが、CM-キチン錠剤ではカプセル化、浸出液の増大がやや認められた。以上の結果から調製した錠剤はいずれも毒性が低く且つ薬物の徐放性を示し、異物反応もないことから、有効な徐放性医薬であることが示唆される。
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