Research Abstract |
複数医用画像の重ね合わせ法を開発することを目的に研究を行った.本研究では,具体的な例として,SPECTによる心筋機能画像と心血管造影検査による冠動脈形態画像の重ね合わせ法の開発及びその重ね合わせ表示を試みた,当初は,撮影系の歪みの測定にまでさかのぼって検討を行い,精度良く重ね合わせを実現する予定であったが,臨床側からの要望で,精度に関する検討よりも,実際の臨床データを用いた重ね合わせの可能性を示すことの方が重要であるということであったため,数列について重ね合わせと表示を先に試みた. 具体的には,以下の6点を行った. 1.SPECTのディジタル画像を計算機に転送する方法を確立した. 2.SPECTと重ね合わせることを考慮して,低分解能で冠動脈並びに左心室の造影像を計算機に入力した. 3.血管像は細長い領域が連結したものであることを利用して,冠動脈造影像から冠動脈領域を抽出した. 4.変動閾値法を用いて,左心室造影像から左心室内腔を抽出した. 5.2方向の撮影像において,2.及び3.を行い,それらを用いて冠動脈並びに左心室の3次元再構成を行った. 6.冠動脈像と左心室内腔像で挟み込む形でSPECTによる心筋画像と冠動脈像,左心室内腔像を重ね合わせて表示を行った. 1.に手間取ったため,以降の処理については,充分な検討を行うことができなかったが,冠動脈像だけではなく,左心室内腔像も利用することが,SPECT像と冠動脈像の重ね合わせに有用であることが解った.今後,重ね合わせのために有用な尺度について更に検討を加える予定である.
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