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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
静電気力学的効果を用いたDNAの分子マニピュレーション技術を利用して,従来の化学的手法と根本的に異なる「空間分解能」を持つ遺伝情報読み出しを行なう手法を開発することを目的として,研究を行なった。 まず,静電配向により伸長したDNAを,立体阻害を生じないように分子両端のみで或いは分子間の特定の位置数箇所で基板上に固定する技術の開発を行なった。これには,1)DNAの分子長さよりわずかに短い間隙を持つ電極を用い誘電泳動により両端を固定する,2)DNA分子の両端に生化学的手法でビオチン分子を導入してアビジンコート基板に吸着させる,3)基板上にあらかじめ施したアミノシランなどの正の電荷を持つ分子のパターン上にDNAを直接吸着させる,の3つの手法が有効であることを見いだした。 次に,伸長・固定したDNAを紫外線レーザーで切断し,切断点からエクソヌクレアーゼにより消化させてみたところ,時間とともにDNAの長さが短くなる様子が観察された。この事は,レーザー切断点の分子構造が全く破壊されていしまっているのではなく,DNAの受けたダメ-ジが後の生化学プロセスにより修復可能な程度であることを示している。 最後に,このレーザー切断片を1)プラスミドに組込み2)それを更に大腸菌に組込む,というプロセスにつき検討を行なったところ,レーザーで切断されるDNAの分子数が10^3-10^4個と極めて小さいため,高い組込み効率を実現する手法の開発が必要であることが判明した。これについては,1)まずプラスミドを解析対象のDNAとライゲーションしてからレーザー切断する,2)反応槽をマイクロ化して吸着面積をへらす,3)反応槽にフルオロシランなどで吸着防止を行なう,などの措置により,現在,1バッチあたり1個程度のリコンビナントが計算上得られるところまで向上させることができた。
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