魚病細菌Listonella anguillaraのプロテイナーゼの新しい機能
Project/Area Number |
06806022
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 高知大学, 農学部, 助教授 (90196816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横沢 英良 北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
楠田 理一 高知大学, 農学部, 教授 (90036715)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Fish Pathogen / Listonella anguillara / Metallo protease / Substrate specificity / Anticoagulation / Activated protein C |
Research Abstract |
魚病細菌Listonella anguillaraの病原性決定因子の一つに細胞外プロテアーゼがある。しかし、これまではどのようなプロテアーゼが産生され、それらがどのような生理機能を担っているのかについてはほとんど報告がなかった。本研究では、本菌のプロテアーゼが宿主の炎症反応誘発に関わっているのではないか、という仮説のもとに、酵素の気質特異性からその機能を明らかにすることを目的に研究を行った。 まず本菌の多数の株についてプロテアーゼ産生プロフィールを基質特異性に基づいて調べたところ、複数のプロテアーゼが産生されていた。そのうち、多くの菌が産生したBoc-LSTR-MCA水解酵素に焦点をあてた。この酵素を精製したところ、メタロプロテアーゼであり、既報ではあるが、機能については不明の酵素であると考えられた。本研究ではこのメタロプロテアーゼの機能を解析した。 本酵素が選択的に水解する基質Boc-LSTR-MCAは抗凝血因子の一つactivated protein Cの基質であることから、本酵素が同様の作用を持つことが示唆された。抗凝血反応系に関与するプロテアーゼ群用の基質を用いてアッセイしたところ、本プロテアーゼはactivated protein Cと同様の作用でFactor Vを不活性化することが明らかになった。その結果、Factor VaはFactor Xaとコンプレックスを作ってプロトロンビンをトロンビンへ変換する触媒機能が低下する。そして最終的に血液凝固反応が起きにくくなったと考えられた。 本研究では、さらに、ニジマスを使ったin vivoと、MCA基質を使ったin vitroの実験から、本酵素はハ-ゲマン因子の様な働きをして血管の透過性を上げることもわかった。 このように、本研究ではL.anguillaraのプロテアーゼの新しい生理機能を解明することができた。現在2、3報目を論文に作成中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)