CTLを誘導するペプチドワクチン開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06807030
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久和 茂 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30177943)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 細胞傷害性T細胞 / ヘルパーT細胞 / サイトカイン / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究の研究実績の概要は以下の通りである。 1.マウスコロナウイルスJHM株に対するCTLの誘導にCD4^+ヘルパーT細胞が必要であるか検討した。BALB/cマウスに200μg抗CD4抗体(GK1.5)を週3回注射し、フローサイトメトリーによりCD4^+T細胞が除去されたことを確認した。このマウスにJHMウイルス10^6PFUを腹腔内接種した。感染7日後のマウス脾細胞をエフェクター細胞としてCTLアッセイを行ったところ、ウイルス感染J774.1細胞に対して細胞傷害性を示した。以上の結果より、この実験系ではCTLの誘導にCD4^+ヘルパーT細胞は必ずしも必要ないことが示唆された。 2.マウスコロナウイルスJHM株に対するCTLの誘導にどのようなサイトカインが関与しているか若干検討した。BALB/cマウスに抗IL-1レセプター抗体を投与し、そのマウスにJHMウイルスを接種し、CTLが誘導されるか検討した。その結果、感染7日後のマウス脾細胞はウイルス感染J774.1細胞に対して細胞傷害性を示した。抗IFN-γ抗体を用いて同様の実験を行ったがCTLは誘導された。しかし、抗IFN-γ抗体の生物活性が確認されておらず、結果の解釈についてはさらに検討を要すると考えられる。 3.JHMウイルス特異的CTLクローンP11Dがウイルス感染J774.1細胞を破壊する機構を知るために、CTLクローンとウイルス感染細胞を共培養し電子顕微鏡により観察した。共培養1時間後には、CTLがウイルス感染細胞に結合し、ウイルス感染細胞の核にクロマチンの凝縮および偏在が観察された。さらに時間が経過するとウイルス感染細胞が小塊(apoptotic bodies)に分断される像が観察された。電気泳動によりウイルス感染細胞のDNAフラグメンテーションが明らかとなった。CTLによってウイルス産生は抑制された。これらの結果は、CTLクローンP11Dがウイルス感染J774.1細胞のアポトーシスを誘導しウイルス産生を抑制していることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)