生体分解性高分子を用いた硝子体内薬物放出制御システムの開発
Project/Area Number |
06807136
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 講師 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 政代 京都大学, 医学部, 助手 (80252443)
谷原 秀信 京都大学, 医学部, 助手 (60217148)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 生体分解性高分子 / 硝子体 / 強膜プラグ / フルオレセインナトリウム / アドリアマイシン |
Research Abstract |
臨床で用いられている薬剤を検討するに先立ち、新たなシステムが硝子体に長期間親水性の薬剤を徐放性を蛍光色素を用いて検討し、次に、増殖性硝子体網膜症の治療薬を用いて検討した。 はじめに、分子量5600(device-1)及び9100(device-2)のポリ(DL-乳酸)にフルオレッセインナトリウムを含有させ、圧縮鋳型法にて強膜プラグを作成した。このプラグのフルオレッセイン徐放量をin vitroで定量した。生体内の硝子体内薬物動態は、家兎をの硝子体腔のフルオレッセインをフロオロフォトメトリーを用いて定量し検討した。PBS中でdevice-1及びdevice-2はそれぞれ25および45日以上にわたってフルオレッセインを徐放し続けた。家兎の硝子体腔では、それぞれ17及び28日間フルオレッセインを検出した。毒性は認められず、生体適合性にも問題は認められなかった。 次に、分子量40000のポリ(乳酸-グリコール酸)にアドリアマイシンを1%含有させ、切削形成法にて強膜プラグを作成した。このプラグのアドリアマイシン徐放量をin vitroで定量した。生体内の硝子体内薬物動態は、家兎の硝子体液中のアドリアマイシンを高速液体クロマトグラフィーを用いて定量して検討した。PBS中で硝子体プラグは4週にわたりの26%のアドリアマイシンを徐放し、硝子体液を増殖性硝子体網膜症の治療域に4週間維持した。網膜電図・組織学的検討では毒性を認めず、また、強膜穿通部にも濾過胞も形成されず、生体適合性に問題は認められなかった。 以上より、生体分解性高分子の分子量および組成比率を変えることにより強膜プラグからの薬物放出を制御することが可能であった。この生体分解性強膜プラグは、薬剤を長期間(1ないし数カ月)にわたり効率よく硝子体腔に徐放させ、臨床応用のできるシステムである可能性が高いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)