Project/Area Number |
06808023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大井 学 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70116911)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 学習障害 / 会話 / 語用論 / 言語障害 / 言語指導 / 母親 |
Research Abstract |
研究は2部に分かれる。第1に、言語性LD児と母親との会話と、健常児と母親との会話を、会話の均衡、母親発話の意味的随伴性及び談話機能について群間比較した。第2に、言語性LD児と大学生の会話について2要因乱塊法による実験を行い、相互作用アプローチの技法が子供と大学生の各種コミュニケーション・パラメタに与える影響を検討した。 研究.1の対象は、平均年齢5歳6ヶ月の言語性LD児と母親7組、それにPLAとMLUでマッチした平均年齢3歳9ヶ月の健常児と母親7組である。各組5分間のサンプルの分析の結果、LD児群の母親の方が対子供MLU比が大きかった。随伴性には群差がなくLD児の母親が話題継続の頻度が多かった。結束行為の頻度に群差はなく、意味行為の頻度はLD児の母親が多かった。年長就学前LD児では母親との会話の不均衡はターン数など会話過程の粗大な要素よりも、発話の長さのずれに現れ、発話間の関連の問題は随伴性よりも意味-結束次元に現れた。 研究.2の対象は、平均年齢4歳11ヶ月の言語性LD児5名と大学生10名である。大学生5名(実験群)は1回目の遊びの後に、発話の量、待ち時間、話題に沿う発話、発話の長さに関する教示を受けて2回目の遊びに臨んだ。別の5名(統制群)は教示無しに2回目に臨んだ。各被験児に実験群学生1名と統制群学生1名を割り当てた。大学生の開始率の対子供比、MLUに交互作用が見られ、実験群での減少と統制群での増大という結果であった。随伴率には交互作用が無かった。結束率に交互作用があり、実験群での増大が確認された。相互作用アプローチの技法は、年長就学前LD児と大人との会話における均衡の維持と結束構造の拡大に寄与しうる。
|