Project/Area Number |
06808081
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上崎 善規 鳥取大学, 医学部, 助教授 (40116017)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 長期シナプス伝達増強 / シナプトゾーム / ラット海馬 / 一酸化窒素 / グルタミン酸 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
海馬における長期シナプス伝達増強(LTP)は記憶・学習のモデルとして研究されてきたが、このLTP形成過程において逆行性伝達物質の関与が重要とされてきた。今回、ラット海馬から通常型(P2)・大型(P3)シナプトゾーム分画を調製・灌流し、神経終末に対するこれらの逆行性伝達物質候補の一酸化窒素やアラキドン酸の直接的影響を検討した。 シナプトゾームは蔗糖およびフィコールにより遠心分離・調製したのち、フィルター上でクレブス・リンゲル液にて灌流した。非刺激時には、P2およびP3分画からグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、γアミノ酪酸(GABA)がそれぞれ、毎分、mgタンパク当たり、104、20、37ピコモル、および85、25、17ピコモル遊離していた。2分間の高カリウムによる脱分極刺激でそれらの遊離がそれぞれ3.6、2.8、1.9倍、および4.5、3.4、2.8倍に増加した。灌流液中に一酸化窒素を遊離するニトロプルシド、膜透過性サイクリックGMPおよびアラキドン酸(0.1〜1mM)を混在させても、これらの遊離を増強しなかった。従って、海馬のLTPにおいては、神経終末からの伝達物質遊離増加を伴わない可能性が示唆されたので、薄切片におけるアミノ酸遊離に対するこれら候補物質の影響を検討した。ニトロプルシドは脱分極刺激時のGlu遊離を有意に増加した。また、あらかじめ海馬切片に電気刺激を与え、LTPを形成した状態でシナプトゾームを調製すると、P2・P3分画ともにGlu遊離増加が認められた。 以上により、LTPの形成には神経終末への逆行性伝達物質の直接刺激のみならず、高次の神経構造やグリアなどの関与が不可欠であると考えられた。
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