Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Research Abstract |
個人個人の資質や時折の体調に応じた筋疲労進過程のメカニズムを解明するため,任意時点筋疲労度推定法を確立し,種々の条件下での生理的実験条件を詳細に検討した.さらに,筋疲労状態に応じて負荷を制御するより安全なリハビリテーション機器の開発を目指して,多変量解析により動的運動時での筋張力と筋疲労との分離を試みた. 疲労実験は70%MVCを40s間維持(first stage),1-2分の休憩後,100s間維持(middle stage),1-2分の休憩後,再び40s間維持(last tsage)の3ステージを1セットとし,セット間の休憩を5分として,3セット行った.その上で,背景活動筋電図からは平均周波数(MPF),積分値筋電図(ARV),伝導速度を推定し,一定収縮に重畳したM波(S-M wave)からは瞬間周波数(IF)パターン(瞬間周波数の時間変化)及び伝導速度を推定した.その結果,first stageにおいてMPFの低下に対し各特徴点でのIFが一律に低下する例が10例中6例であり,その後,MPFの低下に対しIFの低下が見られなくなる傾向を示した.この特徴は,シミュレーションモデルにより,first stageでは速筋線維による乳酸の蓄積(それによる伝導速度低下の低下),middle stage以降でMU(Motor Unit)の活動停止と関係しているものと類推された. しかし,以下の方法を自転車エルゴメータ運動時の大腿4頭筋群の疲労度推定に使用することはできず,外側広筋の表面筋電図から得た評価指標と心拍動リズムを成分とする多次元評価指標に対して固有値分解による多変量解析を試みた.その結果,8名中4名の第1固有値寄与率の時系列に筋張力と筋疲労との違いが現れるような傾向が見られた.この特徴を筋疲労状態に応じた負荷制御にどの様に応用していくかは今後の課題である.
|