日本の多国籍企業のロジスティクスネットワークの動的形成プロセス
Project/Area Number |
06831002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国際経済
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮下 國生 神戸大学, 経営学部, 教授 (60030714)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 多国籍企業 / ロジスティクス / ネットワーク / 現地企業 / 直接投資 / 物流 / 空運 / コンテナ船 |
Research Abstract |
日本の多国籍企業のロジスティクスネットワークの動的形成プロセスを,とりわけ対アジア戦略について欧米企業と比較して、以下のような知見をえた。 アジアに対する欧米企業のロジスティクス戦略は、販売重視のアメリカ企業と調達重視のヨーロッパ企業の対照的戦略より構成されていることを明らかにした。空運物流を利用した日本を除くアジア地域と欧米との間の貿易、すなわち日本にとっての空運三国間貿易に代表される物流は、特にこのような形で欧米企業の重要なロジスティクスネットワークに組入れられている。そのうち、とりわけアジアと北米の間のコンテナ船を用いた物流に日本の多国籍企業がどのようにかかわっているのかをみると、日本のASEANとNIESへの直接投資の増加は、アジアと北米間の物流をそれぞれ0.3078および0.1341のレベルで非弾力的に増加させるけれども、日本の北米への直接投資の増加は、この物流の変化に何らの影響も及ぼしていないという推定結果をえている。日本の北米への直接投資は、アジアとの間のネットワークを形成しようとするものではなくて、閉鎖的レベルにとどまっている。日本の北米とアジアに対する直接投資行動は、日本の現地企業を含むアジア企業の北米に対する販売戦略にのみ関係し、ここに、アジアをロジスティクス戦略上の販売対象として位置づけるアメリカとの間で相克をひきおこすことになる。かくして、日本の多国籍企業のグローバルなロジスティクスネットワークを浮彫りにするうえで、このような欧米企業の行動との比較分析が今後ますます重要な検討課題となってくると結論できる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)