Project/Area Number |
06832004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
惑星科学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 助教授 (30172282)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 太陽系の起源 / Tタウリ星 / 惑星系形成 |
Research Abstract |
中心星の輻射により加熱されている原始惑星系円盤、いわゆる“passive disk"の熱輻射スペクトルを理論的に計算して求め、それを赤外天文衛星IRASの観測結果と比較し、現実の原始始惑星系円盤におけるダストとガスの分離状況、惑星系形成の進行状況などを考察した。 原始惑星系円盤の熱輻射スペクトルは、円盤内のダストとガスの分離状況によって微妙に変化することが、理論計算によって明らかになった。円盤内の乱流などによってダストとガスが十分に混合し、ガス円盤の表面にまでダストが分布している状況では、円盤は中心星の輻射を効率良く吸収し、近赤外波長あたりでさかんに熱輻射を放出する。乱流がやみ、ダストが円盤の中心面に向かって沈澱を始めると、中心星の輻射を吸収していた面が低くなり、吸収効率が下がる。それにともない円盤の近赤外波長域における熱輻射も少なくなる。さらに、ダストが微惑星となり、惑星系形成かはじまって巨視的天体が出現すると、円盤は近赤外波長域においてほとんど輻射を放出しなくなる。 ISARによって観測された牡牛座分子雲中の14個の古典的T Taur型星の“passive"円盤と12個の弱輝線T Taur型星の“passive"円盤の輻射スペクトルを理論計算と比較することにより、次のことがわかった。14個の古典的T Taur型星の円盤の中では、5例がダスト・ガス分離は未だ行なわれていず、6例ではダスト・ガス分離はすでにおこなわれ円盤の中心面にダストが集積している。残り4例は、ダストの沈澱は途中段階にある。また、この14個の中には、惑星系形成がはじまっていると見なせるものはなかった。次に、12個の弱輝線T Taur型星の円盤中では、2例にダストの沈澱が起こっており、6例に惑星系形成がはじまっていることが認められた。ダストの沈澱が途中段階にあるものが1例あり、ダスト・ガス分離が未だ行なわれていものは無かった。また、一意的解釈を許さないものが3例あった。
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