Project/Area Number |
06832007
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
惑星科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 正道 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70107944)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 分配係数 / カンラン石 / 隕石 / 酸素分圧 / 還元雰囲気 / 電気炉 / 高温溶融実験 / 微量元素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、隕石中に最も頻繁に含まれるカンラン石について、バルク化学組成を変え、温度、酸素分圧を系統的に変化させながら、Mn,Cr,Al,Ti,Ni等の元素について、惑星物質研究に適した還元的条件下での分配係数を実験的に決定する事である。そのため酸素分圧をモニターでき、1600℃位まで常用可能な高温溶融実験用電気炉を製作した。これまで、カンラン石に対する微量元素の分配実験は、いくつか行なわれているが、酸素分圧の依存性について研究したものは少ない。実験は、LL6普通隕石の化学組成については、1050-1500℃の温度範囲で、全圧は1気圧、酸素分圧はI.W.バッファーからlogで-3の還元雰囲気から+4の酸化雰囲気の範囲で、アングライト隕石の組成については、酸素分圧を-2から+4の範囲で行った。これらの結果から、Crの分配については、酸素分圧の依存性は見られず、1400℃で0.6位、1225℃で0.9位の値であった。Mnの分配も酸素分圧の依存性はあまり見られず、1400℃で0.8、1225℃で1.2ほどであった。これらの元素に関しては、酸素分圧の違いによる異なった価数の存在が考えられるが、分配係数にはあまり影響を与えていない。Caに関しては0.045位の分配係数であったが、還元雰囲気下で分配係数の低下が見られた。Tiは、マイクロプローブの測定限界に近い量であるので、はっきりとした傾向は分からなかったが、約0.03で還元雰囲気下で多少大きくなる傾向が見られた。Alも1425℃では0.002位、1200℃では、0.012位になるが酸素分圧依存性は認められなかった。Niについては、還元雰囲気下では非常に小さく、酸化雰囲気下では、20-30と著しい酸素分圧依存性を示した。以上の結果は今後の隕石・岩石等の研究に役立つと考えられる。
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